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サンホープ笠懸は身体拘束ゼロを実践します

身体拘束について

         「サンホープ笠懸は
           身体拘束ゼロを宣言します。」
 
 老後生活の最大の不安である介護を社会全体で支え、高齢者の自立を支援することを目的とした介護保険制度がスタートしたのは、平成12年4月です。当初より、高齢者の利用する介護系施設では、身体拘束は原則禁止されていました。しかし利用される方のほとんどは、認知障害を中心として予測不能な行動をとられることが多く、限られた人的サービスのなかで、入所者さまの安全を第一に考え、抑制帯や全周ベッド柵などの対応が行われてきました。しかし、それを適用する基準は施設によってまちまちで、安易に始められたり長期にわたって継続されたりする傾向が多々見られました。
 
 身体拘束は、人権擁護の観点から問題があるだけでなく、利用者さまの生活の質を根本から損なう恐れがあります。また身体拘束によって、利用者さまの身体機能はかえって低下し、寝たきりにつながり易くなります。意欲の喪失や不安感の増強など、精神的な弊害も計り知れず、認知障害も悪化しかねません。
 
 実際に厚生労働省が行った調査で、身体拘束が行われている施設と行われていない施設の間では、利用者さまの転倒・転落などの事故件数に有意な差は認められておりません。このことから、身体拘束が事故のリスクを減らす因子にも成り得ないことが、統計学的にも明らかとなりました。体拘束を行っても、利用者さまのリスクはゼロには出来ないのです。
 
 サンホープ笠懸はこれまで、利用者さまの生活の質を奪う恐れのある場合に限って、入所時から身体拘束を行うこともありましたが、この調査結果を踏まえて、まずは安易な身体拘束を行わないことを、宣言します。
 
 その上で、利用者さま個人個人に対して拘束を行わずに済むための検討を重ね、具体的な代替ケアを積極的に試みます。これらの情報は、ご家族さまのお求めに応じて開示できる体制にしておきます。ご不明な点はいつでも職員にお問い合わせ下さい。
 
 今後もスタッフが一丸となり、鋭意安全には努めてまいりますが、予期せぬ骨折などでご家族さまに多大なご迷惑をお掛けする可能性は否定できません。身体拘束ゼロに向けた趣旨を是非ともご理解いただき、ご協力を賜りたいと存じます。
 
施設長 狩野 賢一
 
 
 
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